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Vol.6 2012年5月『浸水スクリーニング調査』


はじめに

 昨年の東日本大震災による津波被害、タイ洪水の被害は記憶に新しいかと思います。また、地方都市での河川の溢水による氾濫(外水氾濫:図2a)、都市部におけるゲリラ豪雨などによる氾濫(内水氾濫:図2b)は各地で毎年のように発生しており、特に後者は市街地における都市型水害として新たな問題となっております。
 人口・社会資本の集中する関東平野、濃尾平野、大阪平野などの低平な平野部においては、表1の通り立地条件により様々な水害が存在します。水害の種類と特徴については表2に示します。

表1 地形区分と水害の関連性
主な地形区分火山
地帯
非火山地帯
火山山地丘陵地台地低地
谷底
山地
内陸
山地
沿岸
低地
地形別面積比63%12%11%14%
地形別人口比9%11%32%48%
水害の区分地形区分ごとのスクリーニングを要する水害
地震津波   
外水氾濫
内水氾濫
高潮等(潮害)      
土砂ダム
堰き止め
凡例:◎:特に検討を要する水害 ○:検討を要する水害
       △:場合によって検討を要する水害
※本表ではあくまで代表的なモデルを示しています。
   災害の現象によっては厳密に区分できないことがあります。
   また、地形、地質、気象等の条件や人工改変等により考慮すべき水害が
   異なるケースがあります。

ハザードマップの課題

 地方自治体等で作成しているハザードマップは、特定の災害による被害の可能性を検討するためには有用ではありますが、個々の不動産の災害リスクの検討に用いるには幾つかの注意が必要です。たとえば洪水に関するハザードマップでは、ある河川の流域において想定された雨量(例:「平成12年9月の東海豪雨」並みの雨)が降った場合や、ある河川の特定の地点において堤防の決壊が発生した場合に浸水する区域を想定して作成されています。したがって、「特定の地点で発生しうる全ての浸水リスクを網羅したマップ」ではありません。近年では、大河川の外水氾濫を対象としたハザードマップは整備されつつありますが、地域ごとの内水氾濫を対象としたハザードマップは整備が遅れている状況にあり、全ての水害に対してのハザードマップが網羅されている自治体は少ないことが現状です。
 図1の国土交通省による「浸水想定区域図作成マニュアル」に示す通り、ハザードマップの精度は250m四方(6,250u)のメッシュ内の計算結果を元に、50m四方(250u)のメッシュ内での単点の地盤高あるいは等高線をもとに作成されているもので、対象地の微地形、盛り土や掘り下げ等の人工改変、地下階の有無など建築物の状況については考慮されておりません。

図1 50〜250mのメッシュにより作成されるハザードマップ
図1 50〜250mのメッシュにより作成されるハザードマップ
「国土交通省河川局治水課 浸水想定区域図作成マニュアル 平成17年6月」より抜粋


アースアプレイザルの浸水スクリーニング調査

 浸水災害を引き起こす誘因としては、大別して陸域側と海域側からの2つに区分されます。陸域側からの誘因による浸水災害として、堤防のある大河川における堤防の溢水、堤防決壊による外水氾濫(図2a)、都市部における集中豪雨等により、表面水の集中や小河川の排水能力を超えることによる内水氾濫(図2b)、土砂ダムの形成や、堰き止めによる浸水があります。また、海域側からの誘因の浸水災害として、地震津波、潮害(高潮、異常潮位、潮位の副振動)などがあります。
 一方、浸水被害をもたらす素因としては、例えば海岸に隣接した沿岸低地である、また川沿いの内陸低地であるといった地形区分が最も大きなものですが、集水地形となっている場合や地形的に凹地になっているなどにより被害を受けやすい、また被害が甚大となりやすい地形条件もあります。
 アースアプレイザルでは、地形区分、微地形をもとにした誘因と素因の分析を行い、対象地において発生リスクのある災害を抽出したうえ、個々の水害ごとに過去の発生履歴の有無、ハザードマップや被害想定等の公開情報も総合して、浸水リスクに対するスクリーニング調査を実施いたします。
 目的に応じ、最適な調査仕様をご提案いたします。費用・納期は別途ご相談下さい。

図2a 外水氾濫のイメージ
図2a 外水氾濫のイメージ
図2b 内水氾濫のイメージ
図2b 内水氾濫のイメージ

表2 水害の種類と特徴
水害の種類原因と現象被害を受けやすい地形被害および災害の特徴
地震津波 震源が海底にある地震によって海面が盛り上がることにより、波長の長い波が海水の塊として何波にもわたって陸域に押し寄せ、引いていくもの。沖合に浅瀬等がある場合、入り江や湾の奥などの地形的要因により、局地的に波高が増幅されることがある。河川を遡上するため、河川沿いでも注意を要する。 沿岸低地一帯、沿岸の河川沿い 海面が隆起した状態で陸地に押し寄せる特性があることから、沿岸低地一帯の建築物や船舶などを押し流し、壊滅的な被害を与えることがある。東日本大震災では、浸水深2m超の地域では木造建築の 7 割が全壊した(国交省都市局)。RC造のビルでも倒壊するケースがある。海水と、海からの津波堆積物による塩害、大量の瓦礫の発生なども問題となる。
外水氾濫 堤防のある河川において、流域の大雨により増水が発生し、堤防を溢水、または堤防が破堤することにより、大量の水が堤防の内側に流入することで発生する氾濫。 大河川流域の低地凹地で被害が増大 大量の泥水が一挙に流入する。泥を含んだ水が河川から大量に押し寄せるため被害が大きく、冠水は数日間に及ぶことがある。水が引いた後にも大量の泥や瓦礫が残り、復旧への支障を与えることがある。1947年カスリーン台風では利根川、荒川の堤防が複数箇所で決壊し、死者1,100名、家屋の倒壊・流出23,736棟、浸水303,160棟の被害が生じた。豪雨のほか、雪溶け水による発生もある。
内水氾濫 市街地や住宅地に降った雨が排水処理能力を超え、河川の水位上昇や下水の処理能力をオーバーすることによって排水できなくなることで発生する氾濫。 低地、特に都市化された市街地凹地で被害が増大 浸水による電気設備、機器の損傷、地下街、地下室への浸水、マンホールからの下水の逆流が発生する。人的被害としては、蓋が外れたマンホール、増水した水路、側溝への転落や、冠水した道路における車両内の閉じ込めで死者が出るケースもある。都市化に伴うヒートアイランド現象によると指摘されているゲリラ豪雨も、その大きな原因となっている。
高潮等(潮害:高潮、副振動、異常潮位) ・高潮:低気圧、湾岸地域において台風の通過に伴い海面が上昇し、風や波浪によって陸域に海水が押し寄せる現象。
・副振動:入り江や湾において波が反射、共鳴することで発生すると考えられている短期間に潮位が上昇する現象。
・異常潮位:海流の変動等により、長期的に潮位が上昇する現象。
沿岸低地主に湾岸地域 特に注意を要するものは台風による高潮であり、沿岸域一体が海水により浸水することで甚大な被害を生じる。東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海、九州沿岸等において発生することがある。1959年伊勢湾台風では、南からの暴風による高潮の流入により、死者・行方不明者5,098名、住家全壊40,838棟、床上浸水157,858棟、床下浸水205,753棟の被害が生じた。近年でも、 2004年台風16号による高潮では死者・行方不明者3名、床上浸水: 16,840 棟、床下浸水: 29,785 棟の被害が生じている。
土砂ダム、
堰き止め
火山噴火、大雨、地震等による土砂崩れにより土砂ダムができると、上流側では堰き止め湖が形成され冠水、下流側では土砂ダムが決壊すると大量の土石流を生じ、甚大な被害を受ける。低地の河川でも、流木等による河川の閉塞により、氾濫を招くことがある。 河川の近傍
主に山地河川
主に山地において発生が懸念され、2011年台風12号の豪雨により、紀伊半島において複数の土砂ダムが、また2004年中越地震や2008年岩手・宮城内陸地震の際には地震時の斜面崩壊により土砂ダムが形成され、旅館や民家の浸水が生じた。1957年諫早豪雨では、流木や瓦礫が橋脚に堰き止められて河川が氾濫し、諫早市街地への浸水の被害を拡大させた記録がある。


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発行  株式会社アースアプレイザル



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