ホーム > EA Web Library
EA Web Library

>>メール配信の情報変更・解除はこちら

Vol.11 2012年10月
『競売用不動産に関わる土壌汚染の評価について』


はじめに

 土壌汚染やアスベスト等、不動産に係わる様々なリスクはときに不動産の売買価格に大きな影響を与えます。土壌汚染については、その存在の有無によって売買価格が大きく変動する可能性があることは一般的に知られており、不動産鑑定評価においても価格形成要因のひとつとして検討が必要となります。
 土壌汚染の評価と一口に言っても物件により様々な状況が考えられ、例えば小規模作業所の評価と大規模工場とでは作業量が大幅に異なりますし、コストも比例して高くなります。
 不動産取引によっては十分な情報や時間が与えられない場合も多く、特に競売物件についてはコストの制限と、所有者へのヒヤリングおよび現地への立ち入りが制限されることから、不十分な情報により評価せざるを得ない場合が見受けられます。

図1 不動産を取り巻く様々なリスク
図1 不動産を取り巻く様々なリスク


土壌汚染に関する判定について

 競売物件評価実務において、土壌汚染についての評価が必要となるのは、対象地が「土壌汚染地」※1 あるいは「土壌汚染の疑いがある土地」※2 であった場合であり、土壌汚染の疑いがない、あるいは土壌汚染リスクが低い土地の場合には土壌汚染に関する記載は不要となります。
※1原則として土壌汚染対策法第2条第1項に規定されている特定有害物質が地表または地中に
  存在する土地のこと
※2現況利用または土地履歴調査等により土壌汚染の存在の可能性があると推定される土地のこと

 そのため、仮に「土壌汚染地」あるいは「土壌汚染の疑いがある土地」を「土壌汚染の疑いがない土地」、「土壌汚染リスクが低い土地」と判断してしまった場合、評価における価格形成要因が看過され、不動産鑑定評価に大きな齟齬が生じることに繋がりかねないことから、土壌汚染に関する判断が重要となります。
 特に、評価人自らが土壌汚染について判断をする場合において、「土壌汚染地」の判断※3 については比較的容易ですが、「土壌汚染の疑いがある土地」※4 の判断については得られる情報の量や評価者の見解により、まったく異なる結果となる場合があるため注意が必要です。
※3「土壌汚染地」の判断
 @土壌汚染対策法第6条の指定区域台帳に登録されている。
 A専門家(土壌汚染対策法第10条の指定調査機関 以下同じ)の調査により存在事実が判明している。
 B評価に際し債権者が同意して実施された専門家の調査により存在事実が判明した。
※4「土壌汚染の疑いがある土地」の判断
 @土壌汚染調査シートを用いた簡易調査により、土壌汚染の可能性が疑われる場合により具体的な調査を
  実施し、現況利用又は履歴調査等により土壌汚染の存在の可能性があると推定される場合


土壌汚染地あるいは土壌汚染の疑いのある土地の評価について

 上記調査の結果、対象地が「土壌汚染地」あるいは「土壌汚染の疑いがある土地」であった場合、土壌汚染リスクを評価する為に以下の2つの方法から選択し、実施することとなります。
 @評価人自ら、公開資料等をもとに土地履歴を調査する(Phase1に準じる調査)
 A裁判所または債権者と専門家による調査の有無及び費用を協議し、
  専門家による調査(土壌Phase1.0〜3.0)を実施する

図2 土壌汚染地または土壌汚染の疑いがある土地の評価フロー
図2 土壌汚染地または土壌汚染の疑いがある土地の評価フロー
出典 判例タイムズNo.1193を修正加筆


 なお、調査の目的は不動産鑑定評価において考慮すべき価格形成に大きな影響がある土壌汚染の有無を判定することであり、自然由来、埋土由来も含めた土壌汚染対策法による特定有害物質だけでなく、油類、ダイオキシン類による汚染、周辺地からのもらい汚染等についても考慮することが必要となります。

 ここで上記フローから算出された土壌汚染対策費用を不動産評価に盛り込むことになりますが、対策方法等の選定によっては、対策費用が大きく異なることがあります。
 例えば、調査の結果、対象地全域内(敷地面積300u)に埋土由来によるフッ素の基準超過(低濃度、深度3m)が確認されたと仮定し概算すると、
・掘削・搬出(完全除去)を選択した場合(土壌汚染処分費:50,000円/㎥)
 300u × 3m × 50,000円 = 45,000,000円
・表層被覆を選択した場合(アスファルト被覆:5,000円/u)
 300u × 5,000円 = 1,500,000円
となり、対策方法の選定の違いにより、これだけの差が発生します(単価は仮定です)。
 また、土壌汚染対策法に基づく要措置の基準に抵触しない場合、土壌汚染の対策は不要となり、対策費用は発生しない、という結論になることもあります。
 そのため、評価人は対象物件の最有効使用を踏まえた上で、適切な対策方法を選定する必要があります。

弊社サービスについて

 弊社では、土壌汚染に関わる最適なソリューションをご用意しております。下記に主な商品例を示します。競売用不動産のみならず、不動産鑑定評価上でも是非ご活用下さい。

 ◆ MAP レビュー (6万円〜)
   1960年前後から10年毎の住宅地図を用いて対象地の土地利用履歴を調査し、
   土壌汚染リスクの存在の可能性を判定する。
 ◆ 土壌Phase0.5調査 (10万円〜)
   上記に加え、1920年以降の旧版地形図を用いて対象地の土地利用履歴を調査し、
   さらに行政資料等を調査し、土壌汚染リスクの存在の可能性を判定する。
 ◆ 土壌Phase1.0調査 (20万円〜)
   上記に加え、現地目視調査、現地ヒアリング調査を実施し、
   土壌汚染リスクの存在の可能性を判定する。
 ◆ 土壌Phase1.5調査 (40万円〜)
   上記に加え、土壌汚染の可能性の高い箇所を選定し、
   その場所で土壌試料の採取・分析を行い、土壌汚染の有無を判定する。
   いわゆるホットスポット調査。
 ◆ 土壌Phase2.0調査(表層調査) (40万円〜)
   対象地全体の表層土壌について土壌ガス、表層土壌を採取・分析し、
   平面的な土壌汚染の拡がりを判定する。
 ◆ 土壌Phase3.0調査(深度方向調査) (50万円〜)
   上記に加え、ボーリング調査により土壌または地下水を採取・分析し、
   平面的だけでなく、深度方向も含めた土壌汚染の拡がりを判定する。
 ◆ 土壌汚染概算対策費用の算出 (5万円〜)
   各フェーズの段階で、限られた情報もしくは、詳細に調査した結果を
   もとに土壌汚染対策概算費用を算出します。


図3 調査のレベルと浄化費用査定精度の関係(上)
図3 調査のレベルと浄化費用査定精度の関係(下)
図3 調査のレベルと浄化費用査定精度の関係

 1.立ち入り、分析調査をする以前には想定される最大のリスクで考えることになる
 2.そのため、本来かかる浄化費用とのブレが大きい(土地価格との関係で取引阻害となる)
 3.フェイズ1.5以上では、このブレが飛躍的に小さくなる
 4.フェイズ2.0により、ほぼ一致する


ご依頼、お問合せはこちらまで
E-mail: eaweb0214@earth-app.co.jp
TEL: 03-5298-2151

発行  株式会社アースアプレイザル



[免責事項]
・本EA Web Libraryは、株式会社アースアプレイザルの情報および、インターネット上で公開されている情報をお客様に提供することを目的として運営されております。
・本EA Web Libraryは、毎月1回、トピックスをメール配信いたします。
・弊社の個人情報保護方針につきましては、プライバシーポリシーをご参照下さい。
・お客様のE-mailアドレス、購読情報は、EA Web Libraryを配信するために使用するものであり、他の用途に使用することはありません。また、お客様の情報を第三者へ譲渡または第三者が閲覧することはありません。

※この免責事項は変更される場合があります。


ページのトップに戻る